#反応性愛着障害

RAD(Reactive Attachment Disorder)
 無神経な多数の世話人による養育、ネグレクトや虐待などで引き起こされる、愛着欠如状態。

きこえとことばの発達相談室 by 黒石敏弘
CD-10 による診断 (その2)(臨床記述と診断ガイドライン
http://www.warp.or.jp/ent/icd_10_2.htm より引用・抜粋


F94.1 小児期の反応性愛着障害 Reactive attachment disorder of childhood
 反応性愛着障害はほとんど常に、ひどく不適切な子どもの療育に関係して生じる。これは心理的虐待あるいは無視の形をとる(過酷な懲罰、子どもの申し出にいつも反応しないこと、あるいは非常にばかげた療育で示される)、あるいは身体的な虐待あるいは放置である(子どもの基本的な身体的要求をいつも無視すること、繰り返して故意に傷つけること、あるいは栄養補給の不適切さで示される)。不適切な療育とこの障害との間の密接な関連について知見が十分でないので、環境上の不全と歪みは診断にとって必要なものではない。しかしながら、虐待や放置の証拠なしにこの診断を下す場合は注意を要する。逆に虐待や放置があったからと言って、機械的にこの診断を下してもいけない。虐待されたり放置されたりする子どもが総てこの障害を示すとは限らない。

里親制度の充実に向けた緊急要望書
http://foster-family.jp/utsunomiya/ugoki/20021208kinkyu-yobosho.html より引用・抜粋


 乳幼児の発育には、特定の養育者との愛着形成が必要不可欠であり、養育者との無条件の信頼関係を作ることで、その信頼関係を発展させ、他者との関係を作り上げていくことが出来ます。その心の基盤を作るべき大切な乳幼児期に、集団の中で育てられ、無条件の信頼関係を持ち得ない子どもは、成長するに従い、さまざまな問題を起こしていきます。心から信頼する相手を持たない愛着障害の子どもは、成長するにつれ、心にポッカリと穴があいたような空虚感を訴えます。それを里親や施設職員が埋めることは、容易なことではありません。愛着障害は、里親などの養育者だけではなく、当の子ども自身をも苦しめています。

*参考として
 愛着障害ヘネシー・澄子氏の文章
 http://homepage2.nifty.com/satooya/karugamo-c/henesi-aichaku.pdfかるがも会より)
 日本トラウマティックストレス学会 http://www.jstss.org/topic/abuse/abuse_04.html
 愛着治療・訓練所(米国) http://www.attachmentexperts.com/


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