#委託

千葉県 健康福祉部 児童家庭課
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_jika/ikusei/satooya2.htmより引用・抜粋

『子どもの委託について』

1:委託とは

  • 児童相談所で保護された子どもが里親のもとで生活することを希望し、また保護者がそれを承諾した場合に、その子どもや里親の条件等を検討しながら、児童相談所が子どもに合った里親を選び委託します。  
  • 委託とは、児童相談所で保護した子どもを、養育することが適当であると認めた里親等に養育してもらうことです。  
  • なお、あくまで、委託先は児童相談所が決定するため、里親の気に入った子どもを自由に選択できるわけではありません。


2:子どもを委託されたら

  • 子どもが委託されたら、まず、その子どもを家族の一員として迎え入れてください。学齢児は学区内の学校へ通わせてください。
  • 原則的に、児童相談所が里親と実親の間に入り相談を進めますので、里親が直接実親と対応することはありません。
  • 養育費用については、定められた額が毎月公費で支給され、里親の口座に振り込まれます。(里親手当、一般生活費、学校教育費など)
  • 医療費は、児童相談所で発行する受診券(保険証を持っている子どもは併用)によって支払うことができます。医療機関に提示すると、保険対象の医療費については公費で支払われます。
  • 子どもにとって慣れない環境で生活することは不安ですし、また里親の皆さんにとってもたいへんであることと思います。子どもが安定した生活ができるよう児童相談所の職員が時々訪問するなど、一緒に考えながら進めていきます。


3:子どもの委託解除について
 子どもが里親から委託解除になる場合には、
 下記の3つのケースがあります。

  • a:家庭引取り
    • 保護者が養育可能となった場合には、家庭引き取りを検討していきます。引き取りの時期や方法については、児童相談所が調整します。
  • b:満年齢
    • 子どもが18歳になるまでは、原則的に継続して養育することが可能です。また、18歳を超えても継続した支援が必要な場合には、児童相談所と相談の上、20歳まで養育を延長することができます。
  • c:養子縁組
    • 養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。
    • ア:普通養子縁組
      • 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可が必要となります。養子と実親との間の遺産相続や扶養義務などの法律関係はそのまま残ります。戸籍の続柄は「養子」と記載されます。15歳未満の養子縁組については、親権者の承諾が必要になりますが、15歳以上の場合には、本人の意思表示により養子縁組が可能です。
    • イ:特別養子縁組
      • 委託された子どもが6歳未満で、原則として実親が同意している場合で、養親との親子関係を新たに結び、かつ実親との親子関係を解消することが子どもにとって有益であると家庭裁判所が認めた場合に成立します。戸籍の続柄には「子」と記載されます。特別養子縁組は普通養子縁組と違い、一旦成立しますと原則として離縁はできません。※特別・普通養子縁組を前提として里親委託した場合、少なくとも6ヶ月以上養育期間を見た上で、里親から家庭裁判所に養子縁組についての申し立てを行うことになります。

オススメ記事

『絆について考える』
夫は「絆づくりなんて改めて行うものじゃない。いつの間にか判っているものだ」といい「せめて絆くらいはちゃんと何処かで覚えておいてほしかった」と嘆いた。〜
http://d.hatena.ne.jp/leiwingjp/20050815/1124117781

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#里親

里親:養子縁組をしない、育ての親

里親生活 http://satooyaseikatu.moo.jp/setumei/syurui.phpより引用・抜粋

里親とは

世の中には親のいない児童や、たとえ親がいても一緒に暮らしていけない児童もたくさんいます。そういった児童を親や施設にかわって養育するのが里親です。里親と里子は家族として同じ家に住み、温かい愛情と家庭的な雰囲気の中で信頼関係を保ちながら生活しています。里親は共働きでも片親でもなれます(ただし片親の場合には一定の条件があります)。里親手当のほか、里子の生活費、学校にかかる費用、医療費などは公費で出ますし扶養控除の対象にもなります。また、養育中の子どもが受けた(与えた)事故などについて、里親に賠償責任が生じた場合には、里親賠償責任保険等の制度による補償がうけられます。



*里親には種類があります。 

養子縁組里親

将来里子との養子縁組を希望する里親の事です。
養子には特別養子縁組と養子縁組があります。 

短期里親

親の病気などの理由などで、一定期間だけ家庭を離れなければならない子どもを預かって養育する里親の事です 概ね数日〜一年以内の範囲で預かります。

養育里親

養子縁組を目的とせず、実の親が引き取る見込みのある子ども(または,実の親の意向により養子縁組を必要としない養子縁組ができないといった子ども)を家庭復帰できるまで、あるいは18才まで家庭に引き取って養育する里親の事です。

親族里親

子どもの三親等内の親族がその子どもに限ってなる里親です。
やむを得ない事情がある場合に限定されます。里子の生活費は支給されますが、里親手当は支給されません。
児童扶養手当は併給されません。

週末里親・季節里親

地域によって呼び名が違います。フレンドホーム・ボランティア里親と呼んでいるところもあるようです。施設で生活している子供に家庭的な雰囲気を味わってもらうのがねらいです。週末だけの週末里親,夏休みや冬休みに子供を迎え入れる季節里親があります。

専門里親

被虐待経験などから心理的外傷を受け又は問題行動があり保護者に監護させることが不適当で、専門的ケアが必要であると診断された児童を対象とし、原則として2年以内の期間で委託されます。また、保護者が委託することに十分に納得しており、委託後に保護者による強引な引取り等の問題が発生しないことが予測されるケースに限ります 専門性がある事から、里親手当は通常の里親の3倍です。

どうやったらなれるの?

申し込むところは、お住まいの管轄の児童相談所になります。
児童福祉司などの家庭調査をもとに内容を審査し、児童福祉審議会の意見を聴いたうえで、市長や知事が適当と認めた場合、里親として登録される事になります。

オススメ記事

『初めての家庭体験学習』
なによりも忘れてはいけない事は、施設出身者にとっては「結婚生活=生まれて初めての家庭生活」であるという事実。〜
http://d.hatena.ne.jp/leiwingjp/20050816/1124170568

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#養親

養親:養子縁組をした、育ての親

こどもみらい課のHP http://www.pref.aomori.jp/kodomo/youshiengumihikaku.htmより引用・抜粋

特徴

普通養子縁組:
養親と養子との契約で成立する養親子関係

特別養子縁組:
実父母及びその血族との親族関係が終了する養親子関係

養親の条件

普通養子縁組:
成年に達していること。
配偶者のある者が未成年者を養子とする場合、夫婦が共同で縁組をすること。

特別養子縁組:
配偶者のある者で、夫婦が共同で縁組みをすること。
25歳に達していること。
ただし、一方が25歳以上で他方が20歳に達しているときはこの限りではない。
*6か月以上の試験養育期間の状況が考慮される。

養子の条件

普通養子縁組:
養子が養親よりも年下であること又は養子が 養親の尊属でないこと。
*15歳未満の場合は、法定代理人の承諾が必要

特別養子縁組:
6歳未満であること。ただし、8歳未満で、6歳に達する前から養親に監護されている場合はこの限りでない。

縁組の効果

普通養子縁組:
縁組成立後も養子の実父母及びその血族との親族関係は存続し、相互に相続・扶養する関係が残る。

特別養子縁組:
縁組によって養子の実父母及びその血族との親族関係が終了し、養親のみが養子の父母となる。

戸籍

普通養子縁組:
父母欄には実父母、養父母双方の氏名が記載され、養父母との続柄は「養子」「養女」と記載される。

特別養子縁組:
父母欄には実父母の氏名は記載されず、養父母の氏名のみが記載され、続柄欄には「長男」「長女」と記載される。

離縁

普通養子縁組:
協議により、戸籍上の届け出のみで離縁をすることができる。また、一定の理由があるときは、離縁の訴えを起こすことができる。

特別養子縁組:
協議離縁、裁判離縁は許されず、縁組の継続により養子の利益が著しく害される事由があり、かつ実父母の監護が可能な場合に限り、家庭裁判所の審判により離縁が成立するにすぎない。
なお、養親から離縁を請求することはできない。

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 『サイダーハウス・ルール』 作:ジョン・アーヴィング

The Cider House Rules / John Irving 訳:真野明裕

ラーチは日記にこう記した。
「ここセント・クラウズ(孤児院)で、われわれの抱えている問題はひとつしかない。いつまでも孤児が絶えないのは問題の部類には入らない。それは解決し得ないことなのだ。それについては自分は最善を尽くし、孤児たちの面倒を見てやるまでだ。ここの予算が今後とも少なすぎるだろうこともまた問題ではない。これまた解決されそうにない。孤児院というのは資金にこと欠くようにできている。本来そういうものなのだ。(中略)
 ここセント・クラウズで、われわれの抱えている問題はひとつしかない。その名はホーマー・ウェルズ。われわれはホーマーとはこれまでとてもうまくいっていた。孤児院をまんまと彼の家庭にしおおせたのであり、それこそが問題なのだ。州の、いや、いかなる公共機関のであれ、施設に、本来家族に注ぐべきものとされている愛情のようなものを持ちこもうとすると --- もしその施設が孤児院で、そこに愛情を持ち込むことに成功すると --- 奇怪なものを生み出すことになる。よりよい生活への中間駅でない孤児院、起点にして終点であり、孤児が受け入れる唯一の駅であるような孤児院。
 冷酷にしていいという理由はなにもないが、しかし、(中略)ホーマー・ウェルズのような者 --- セント・クラウズが本人にとって今後も唯一の家庭であるがゆえに、まさに孤児そのもの --- を生み出すことになる。神よ(いや誰でもいい)、我を許し給え。わたしは孤児をこしらえてしまった。その名はホーマー・ウェルズといい、彼はいつまでもセント・クラウズの一員でいるだろう」

舞台:1930年代・アメリカ 登場人物【ホーマー・ウェルズ:孤児】【ウィルバー・ラーチ:孤児院長・医師】


*つぶやき:ストーリ全部を絶賛する気は無いのだけれど、ラーチのこの台詞が、とても気になりました。


サイダーハウス・ルール〈上〉 (文春文庫)

サイダーハウス・ルール〈上〉 (文春文庫)

 児童福祉のパーマネンシー

児童福祉のパーマネンシー―ケースマネジメントの理念と実践

児童福祉のパーマネンシー―ケースマネジメントの理念と実践

内容(「MARC」データベースより)
困難を抱えている子ども達の保護処遇の決定、実践をいかに進めるかについての導きを目的とする。著者の得た知識や経験を踏まえて、実践の枠組みを提示。児童ソーシャルワーカーの力の源となる書。

# 解離性健忘 Dissociative Amnesia 

解離性健忘

外傷(トラウマ)的な出来事と、それに関連する出来事が思い出せず、その範囲があまりにも広いので、通常の『物忘れ』では説明が出来ない状態。

DSM-IVによる3つの「解離性健忘」の診断基準

A. 外傷(トラウマ)的な出来事と、それに関連のある出来事が思い出せず、その範囲があまりにも広いので、通常の『物忘れ』では説明が出来ない状態。
B. この症状は、他の解離性障害・ストレス性障害、または身体化障害を表している最中のみにおこるものではない。そして、薬物乱用・投薬や、頭の怪我など、直接的に身体に作用したものでもない。
C. 症状が、その人の生活・職場生活などに、明らかな悪影響(苦痛)を及ぼしている。

解離性健忘の型

(1)局在性健忘 = localized:ある限られた期間に生じた出来事を思い出せない。
  ex)交通事故で家族が死亡。その事故から2日間の出来事が思い出せない。
(2)選択性健忘 = selective:ある出来事に関して思い出せる部分と、思い出せない部分がある。
  ex)ある退役軍人が、激しい戦闘体験の一部しか思い出せない。
(3)全般性健忘 = generalized:今までの人生の全般を思い出せない。
(4)持続性健忘 = continuous:ある特定の時期から現在に起こった出来事を思い出せない。
(5)系統的健忘 = systematized:ある範疇の情報が思い出せない。
  ex)ある特定の人に関する記憶がごっそり抜け落ちている。
*(3)〜(5)はあまり一般的ではない。


・解離性健忘の症状を一度体験した人は、ストレスにさらされると、健忘を生じやすくなる。
・ストレス環境を離れると、記憶が自然に回復することがある。
引用元↓

DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル

DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル

*参照:解離とは/トラウマと解離性精神障害 /解離性障害/痛みを感じない者は誰か/解離性健忘

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#トラウマ Trauma

【心的外傷】
命を脅かされるような出来事、または、心理・精神的に耐えられる限度を越えた出来事が原因となった、心の傷。

トラウマと解離性精神障害 赤城高原ホスピタル http://www2.gunmanet.or.jp/Akagi-kohgen-HP/T_and_D.htmT_and_D.htmより引用・抜粋


「解離」というのは、心的外傷(トラウマ)によっておこる精神障害を理解するうえでの鍵概念ともいえます。なお本来トラウマは、心的外傷つまり、心の傷の事で、その原因となる体験ではありませんが、現在の一般用語としては、心の外傷をおこすような体験のほうをトラウマと呼びます。


トラウマに関連した解離は、成人でも見られますが、とくに幼児では、痛みや悲しみを伴うような耐えがたい状況に対する普通の自然な防衛機構です。幼児期に虐待のようなトラウマにさらされ、解離の習慣を身につけた子供は、成人してからのトラウマに対しても解離しやすい脆弱性を持つと考えられます。

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